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コラム

「同じ思いをさせたくない」母校の災害対策と向き合う想い 【那智勝浦町役場/小学校・中学校納品インタビュー】

2022.01.27

納品インタビュー

波という言葉から皆さんはどんなイメージを受けますか?

地震による大津波の被害は「波」という言葉から想像するイメージからは程遠いものです。

街全体がのみこまれ、家は流され、バスや電車、大型船までもが打ち上げられたケース、
20m以上の高台に避難していたのに背後から回り込んだ波に流されるなど、
災害の多い地域に住む人々にとって大きな問題です。

那智の滝でも知られる自然豊かなこの地は、
過去の南海トラフ地震によって大きな津波被害を受けています。

普段は穏やかな表情の那智勝浦の海

今回インタビューを受けて頂いたのは
紀伊半島南部にある和歌山県 那智勝浦町役場の寺本さん。


納品させて頂いた学校の卒業生でもあり、
地元の災害対策に真摯に向き合っている寺本さんにお話をお伺いしました。

那智勝浦町役場 寺本さん

実際に被災した経験を踏まえて

ー災害に遭遇されたご経験はございますか?
また、災害時に困ったこと「今後こうしていくべきだ」と感じたことなどございますか?

昭和19年、昭和21年と今からおよそ75年前に南海トラフ大地震を経験し、
それ以来まだ地震は経験していません。

大雨・土砂災害に関しては10年前に紀伊半島大水害があり、
そのときには、今回導入した学校も被災しております。

1週間から10日間ほど停電し、
ライフラインが全部止まってしまって大変な思いをしたという記憶があります。

ー電気が止まった時に、何かこういうことで困ったとか、
具体的なエピソードなどございますか?

やっぱり、まず連絡がとれない。

被災地と本部の連絡を取る手段が限られてきてしまうので、
そこの連絡体制がなかなかとれなかったことですね。

また、被災された住民の方にとっても、携帯の充電ができず、
電波もなかなか届かないといった状況になってしまったので、
連絡手段というのが一番困ったところです。

あとは暑さですね。
体育館も被災してしまっていたので、教室に避難していただいていたのですが、
その教室も結局窓を開けるしかない、そんな状況でした。

クーラーと連絡手段。その部分が一番欲しかったところです。

   スポットバズーカ(左)とエルソナ(右)

ーこちらは、場所的にも夏、かなり暑くなる場所だと思うのですが、
高い時だとどれくらいまで気温は上がりますか?

やっぱり37度、最近だと38度ぐらいまであがります。

避難所には高齢者の方もいらっしゃるので、熱中症対策もとれたらなと思いました。

また、夏場だけでなく、冬に被災する場合も想定すると、
被災された住民の方が凍えてしまわない為にも、冷房暖房両方あるものがほしいなと考えていました。

その点で、株式会社イーズさんのスポットバズーカは、
冷暖房両方利用できるというのはとても魅力的でした。

ー今回の導入に関して予算はどういった形で取られたのでしょうか?

スポットバズーカは換気の面でも利用できる為、
今回は、避難所でのコロナ対策ということで予算をとっています。

ー今回スポットバズーカを動かすということで、
スポットバズーカ1台につきエルソナ T-7500 1台を納品いただいているのですが、
他にも発電機などはお持ちでいらっしゃいますか?

そうですね。各避難所には一台ずつ発電機を入れております。

カセットボンベに対応した発電機もありますし、プロパンガスに対応した発電機もあります。

この辺りは、プロパンガスの供給エリアで、
非常時でも手に入りやすいという点から、プロパンガスに対応した発電機を導入しております。

また、避難所は学校が多く、給食を作っているところだと、
プロパンガスを置いているところが多くあります。

また、ガソリンの場合は、被災時に調達できるかといった問題もありますし、おいておけない。
長期間保存できないですよね?
災害はいつおこるかわからないので、やはり、その点でガスの方が使い勝手がいいかなと思います。

ーそんな中、なぜエルソナを選んでいただいたのでしょうか。

今回、エルソナに関しては、スポットバズーカを動かすための動力電源(三相200V)が使えるということで導入しました。さらに、それだけではなく、ガソリンもプロパンガスも両方使えるということで、そこはとてもいいなと思っています。

スポットバズーカとエルソナ納品の様子
 

ーありがとうございます。
今回納品させていただいた中に寺本さんご自身の出身校があると伺ったのですが。

そうです。納品した学校の中には、私の出身校もございます。10年前に被災しており、当時地元の方々が苦労していた姿をみていたので、なるべく、少しでも避難時の環境をよくしていきたいという思いがありました。

いつ災害がおこるか、誰もわかりません。被災する時期は暑い夏かもしれないし、寒い冬かもしれません。被災した後、避難された方が避難所で熱中症になったり、凍えてしまわない様、少しでも快適にすごしていただきたい。実際に災害を経験されたからこその寺本さんの思いが伝わってきました。

今回、エルソナとスポットバズーカのセットでの納品という形は初めてだったのですが、今後も、このような形が広がり、被災時でも安心して過ごしていただける環境づくりのお手伝いができれば嬉しく思います。

(インタビューアー 岡 多加良/記事ライター 岡 多加良・ 井髙 沙織)

納品場所
那智勝浦町小学校・中学校

株式会社イーズ ぐっぴーバズーカ 8台
エルソナ T-7500 8台

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