コラム
地域に根差した正確な情報を伝える「声」 発電機の電力で災害時もラジオから届け続ける「安心」を 【FM軽井沢納品インタビュー】
2021.02.02
納品インタビュー
災害時、皆さんはどこから情報を集めますか?
情報を得る形として、テレビ・新聞・SNSなど様々な選択肢が私たちにはあります。
そんな中でも災害時にラジオがあれば、その地域に根差した詳細な情報を取得することが出来るため、災害時の重要な情報源として根強い支持があります。
速報性が高く、双方向性の情報発信が出来るため避難所や給水所、安否情報などを素早く正確に知ることができ、ラジオから流れてくる情報は私たちに大きな『安心』をもたらします。
今回インタビューさせて頂いたのはラジオ放送局、FM軽井沢の成澤(なるさわ)さんと岩下(いわした)さんです。
2019年の台風19号で軽井沢町は、大規模な停電被害に見舞われました。
FM軽井沢さんでも約50時間の停電を経験されたそうです。
今回、FM軽井沢さんにLPガス&ガソリンハイブリッド発電機(ELSONA)を納品させていただきました。
災害を経験し、何を思ったのか?今回エルソナを導入した経緯は?
ラジオ放送局として、情報発信にかける想いや責任感をお聞きしてきました。
いつ起こるかわからない災害に備えて
ー被災されたご経験を教えてください
2019年の台風19号によって倒木し、送信所が約50時間の停電状態になりました。電気がないため普段通りの放送ができず、電気のありがたみを改めて実感しました。また、当時ガソリンタイプの小型発電機を所有していたので、こちらを利用し放送を続けていたものの故障してしまい、日々のメンテナンスがしっかり出来ていなかったと苦い思いをしました。
災害の時こそ、絶対に放送を止めてはいけないと思うし、倒木などは、台風に限らずいつ起こるかわからないものなので、常日頃から放送局として気を付けていきたいです。
ーメンテナンスを今後どのようにお考えでしょうか?
被災経験からいつ起こるか分からない災害に向け、放送局として準備をしておくべきだと職員全員が再認識しました。放送局なので深夜や早朝など災害時に誰がいるかわからないし、1人しか職員がいない可能性だってあります。だからこそ、日頃からメンテナンスを兼ねた消防訓練を行い、職員全員が最低限、電気の確保をできるようにしたいと思います。今後のメンテナンス計画は1ヶ月に1回を目標としていて、その際には職員が発電機を使えるよう練習も行う予定です。
ーエルソナの魅力、選んでいただいた理由をお願いします。
エルソナを選んだ1番のポイントは稼働時間の長さと燃料タンクの容量の大きさ、またLPガス(既に設置しているもの)から電気を作れるところです。
今までに使っていたガソリン式のものは小型で満タンから3〜4時間くらいしか使えなかったんです。通常、発電機を止めてから給油しなければなりませんが、放送を止めるわけにもいかないため、稼働したまま燃料を追加するしか手段がありませんでした。その経験からも稼働時間の長さにメリットを強く感じました。
ー導入の際に問題点や壁はありましたか?
やはり予算の確保です。こういったコミュニティ放送局は予算が少ないという面もありますし、総務省から補助金が出ていますが、それも300万、400万以上といった大きな額のものしか対象になりません。なので今回の購入では、補助金などではなくて会社の実費で購入しました。
そのため費用はかかりますが、導入のきっかけになった大規模な停電経験を職員全員が経験し、発電機は必要なものだという認識があったため購入に至りました。
また、今回納品させていただいたFM軽井沢さんは、小型UPSを介して放送システムに接続しています。
UPS(Uninterruptible Power Supply)とは、停電をはじめとした電源障害が発生した場合、PCなどに電力を供給することで、業務を継続したり、安全にシャットダウンするための時間を稼いでくれるシステムです。
今回、発電機の電力もUPSに供給されるようにしており、急な停電でもデータの破損や機器の再起動、放送の中断などの心配をすることなく活用できるということです。
インタビューを通して、FM軽井沢さんの大規模な災害時にも放送を継続するという強い責任感や、大切な情報を届けるインフラを担うプロフェッショナルとしてのお気持ちを感じることが出来ました。
災害時にラジオから流れてくる情報は、情報だけでなく私たちリスナーに安心や道筋を与えます。『何があっても放送を止めない。発信し続ける』というのは容易なことではありませんが、ELSONAがその為の力になれると思うと嬉しく思います。
(インタビューアー / 記事ライター:岡 多加良)
納品場所
軽井沢エフエム放送株式会社 S-5500 1台